判例4.(1)双方に責任がある場合の離婚
離婚・慰謝料・財産分与「判例4」 ※登場人物等は仮名で表現しております。
4.(1)双方に責任がある場合の離婚
結婚期間は30年ですが、最後の3年は別居状態、判決離婚で三男一女(全員独立)がありました
。
信二、由香夫婦は、結婚8年目のとき長男が病気になりそれが動機で由香がO宗教団体に入信しました。その宗教活動がこうじた頃から夫婦生活の円満を欠くようになりました。それでも4人の子を育ててきた二人でしたが・・・線香の匂い、読経の声を嫌う信二は不快を酒でまぎらわし言動も荒くなり結局、結婚後24年にして離婚の調停となりました。しかし、離婚には至らずいちおう別居の調停が成立し、 信二は由香に生活費8万円、教育費75,000円を仕送りすることになったのです。信二は仕送りを実行しましたが、夫婦仲は冷えきり元に戻らず、数年後双方から離婚と慰謝料の訴えが起こされ結局、判決離婚となりました。裁判所は厳密に言えば原因は由香の宗教活動にあるとしながらも・・・信二の方にも相当の責任があるとして双方の慰謝料請求はしりぞけました。
注目
そして、財産分与として信二の財産のうち・・・
①信二が父から相続した不動産
(彼の固有財産)
②結婚生活が破綻に瀕した頃、信二が建てたアパート
(由香の貢献はほとんど認められず除外)
③結婚生活が破綻する前に購入した土地と家屋「他に賃貸して家賃収入がある」
(由香に財産分与として渡すべきである/所有権移転登記をする)
と、判決しました。(仙台地裁S54・9・26判決)
注目 財産分与の対象
名実共に夫婦の特有財産、例えば結婚する前から所有していたもの、結婚中に一方が相続したり贈与を受けたもの、装身具など各自の専用品とみられるものなどは、婚姻中に「当事者双方がその協力によって得た財産」ではないから、清算的財産分与の対象とはなりません。夫婦の共有名義で取得した財産、結婚生活に必要な家財は当然対象になりますが、名義は夫婦の一方になっていても、実質的には共有とみるべき財産(不動産・預金・株などに例が多い)は、財産分与の対象となります。この判決は、破綻時を基準に、破綻前の財産を財産分与の対象にしていますが、裁判の時を基準とする考え方もあります。
離婚・慰謝料・財産分与
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